底地を所有しているものの、その価値がわからず、将来どうすべきかお悩みではありませんか?底地は資産である一方で、直接的な利用が難しいため、所有を継続する判断や売却のタイミングに不安を感じる地主様が多いのが現状です。
特に、老後の生活を見据えて「底地を売却して資金にするべきか、それとも維持して賃料収入を得続けるべきか」という判断は非常に難しいものです。こうした悩みを抱える底地の地主様が、適切な情報を得て正しい判断をするためには、まずは底地の正確な市場価値を把握することが重要です。
今回は、底地の査定を行い市場の正確な価値を知ることの重要性がについてお伝えします。
■底地を所有するメリット・デメリット
底地を持ち続けるメリットとして、まず挙げられるのは安定した収入を得られるという点です。賃借人が長期的に土地を使用している場合、安定した賃料収入を得ることができます。これは、株式などの他の投資と比べても比較的リスクが少ない収益源と言えるでしょう。
また、底地は土地そのものの所有権を持ち続けるため、リスクの低い安全な不動産資産としての価値があります。不動産は実質資産であり、底地は長期的な視点で見れば安定した資産運用に適しているといえます
一方で、底地を持ち続けることにデメリットも存在します。最も大きな問題の一つは、賃料が低く、収益性が低いケースです。賃借人が支払う地代が契約当初の「昔」からの低い地代のままで、市場に比べて低い場合、底地を持っているメリットが薄くなってしまいます。
さらに底地を所有していると毎年固定資産税がかかりますが、年々増加が進む固定資産税が年間の収益を上回り、赤字になってしまうこともあります。
加えて、底地は市場での価値が一般的な更地の土地に比べて低く評価されることが多く、売却して現金化することが難しいという問題があります。借地権が付き、自由に利用できない土地として市場価値が下がり、売却の際に期待する価格で手放せない場合も少なくありません。
このように、底地を持ち続けるメリットには安定した収益や安全な資産としての特性がありますが、収益性の低さや市場での流動性の低さといったデメリットも併せて考慮する必要があります。底地をどう活用するかは、底地の地主様の目的やライフステージによって異なります。将来の計画を見据えて、底地の価値を正しく、適切なタイミングでの売却や保有を検討することが重要です。
■底地の査定や相続・税金のアドバイスで疑問を解消
底地を所有している方が気にかける点として、底地の相続や税金に関する問題です。ここでは具体的な事例をもとに底地の相続や税金、そして底地の査定の重要性について解説し、疑問を解消するためのアドバイスをご紹介します。
沖縄県の中南部近辺に底地を所有していたAさんは、高齢の親が体調を崩し、入院したことをきっかけに相続の準備を始めることとなりました。特に親が所有していた底地に支払う相続税の額と、その底地を今後どのように活用するかについて調査を開始しました。
Aさんが最初に行ったのは、底地の専門業者に依頼して査定を受けることでした。底地の正確な価値を知らなければ、売却を検討する際の判断材料も得られないからです。
査定によって底地が賃借権付きであるため市場価格が通常の土地よりも低いことがわかりましたが、それでも借地権の建物が複数存在する広大な土地だったため、多大な相続税がかかることは避けられませんでした。
そして査定結果を確認し、さらに税理士が算出した相続税などの正確な金額を知ることもできたため、判断材料として間違いのない情報を事前に揃えることができました。
次にAさんは底地は安定した賃料収入がある一方で、市場価値の低い底地を所有し続けると、相続時に発生する多大な相続税が先の世代にいつまでも継続されることがわかり、急いで底地の売却を進めることを決断しました。
Aさんのケースでは、底地の査定が売却や相続の選択肢を検討する際に重要な役割を果たしました。査定を行うことで底地の正確な価値を把握し、相続税などと比較をしながら、今後の資産運用を計画的に進めることが可能となりました。
このように、底地の地主様としては、底地の売却の前に必ず底地専門業者などの査定を受け、底地の正確な価値や税理士に相続税などを算出してもらうことで、より良い選択ができるようになります。
Aさんのように、相続や税金に関する不安を解消するためには、まず現状の評価を明確にし、将来の計画を立てることが大切です。
■正確な底地査定を受けないリスクとは
地主様が底地の査定を行わない場合、実際の価値や市場動向を把握できないため、資産を有効に活用できず、最適なタイミングでの売却や運用が難しくなるリスクがあります。
まず、査定を受けないまま底地の市場での価格を知らずにいると、急に親の介護・施設や相続税などを支払う為の資金が必要になった際、底地が売却できずに困ってしまうリスクがあります。
実際に底地の市場価格を知らずにその評価額だけをもとに算出した金額で底地を市場に出し、いつまで経っても底地を売却できず、必要な資金を作れずに困っている地主様は少なくありません。
そして相続税の支払い期限は、相続が発生して10カ月以内が原則です。相続税は納付が遅れると延滞税が課されてしまいます。さらに底地が売却できなければその他の優良資産を売却して資金をつくり対策も必要になってしまいます。
借地権がついている底地は、市場では「自由に使えない土地」として認識されているため、市場での価値は低く、売却が難しく短期間で売れるものではありません。
このように底地の市場での実際の価値を知っておけば「底地が売れずに困る」という問題に直面する前に、その他の資金を作る最善策を検討することができるでしょう。
そのため底地の査定などを行い、正確な底地の市場価値を事前に確認しておくということは、地主様にとって大変重要になります。
また、底地の査定では正確な市場価格を確認しておくことが重要になります。底地は複雑な権利関係があるため正確な査定をすることは不動産業者でも簡単ではありません。
もし査定を依頼するなら底地や借地を専門に行う業者に依頼することをお勧めします。
■底地の売却や計画的な資産運用は適切に
底地の査定は、底地を所有する地主様にとって重要なプロセスになります。査定を受け、自分が持つ底地の正しい価値を認識することで、底地の売却や計画的な資産運用などを適切行うことができるようになります。
また、査定を行わないリスクも大きく、底地の市場での価値を正確に把握できていない場合、底地の整理ができずに、適切な相続対策できないなどの可能性があります。
もし、あなたが底地の市場価値を把握していないのなら、一度底地の査定を受け、所有している底地の価値を確認してみることをお勧めします。