底地には「底地権」という権利が存在し、借地人が土地を賃借し、土地上に建物を建てる代わりに借地人から地主が地代を受け取ることができます。
また地主は、土地の賃料以外にも一定の金銭を受け取ることができます。借地権の契約更新や譲渡時の承諾、増改築、借地契約の条件を変更するなどの際に、一定の金銭を受け取れる権利があり、地主にとっては重要な収入源になります。
底地の所有者の多くは個人で、近年では、底地の所有者の高齢化が進んでおり、相続によって底地を所有するケースが増加し、さらに底地所有は様々な問題を抱えており、所有者の負担も増加してきています。
■沖縄で底地相続税が高額になる理由
底地の抱える問題のひとつに、底地を相続する際の相続税が高額になるということあげられます。土地の相続税はに正面路線価や借地権割合などをもとに計算されます。
そして、沖縄の底地では、借地権割合60%~70%で評価されることが多いため面積が広いと、相続税が高額になることがあり、正面路線価が高い地域はその分相続税も高額になる可能性があります。
さらに相続税は原則現金を一括払いです。そのため、高額になった相続税を期限までに支払うために底地以外の優良な資産を売却するというケースも少なくありません。
■底地地主の高齢化における底地管理の負担
近年では、底地所有者が高齢化のために、行き届いた底地管理を行うことができなることで借地人とのトラブルなどが増えています。
特によく見られるケースとしては、底地の現地を定期的に訪れて、状況の確認をすることが、できなくなったことで、いつの間にか借地人が勝手に建物を増改築していたといことがあります。
工事完了後は借地人へ抗議をしても、工事を元に戻すこともできないため、この場合は、結局問題解決できないままになることがほとんどです。
底地上の建物の増改築は、借地権の契約期間にもかかわります。また、増改築の承諾に対する権利である金銭受取の話も、工事後にはまとまらないこともあるため、底地の所有者にとっては大変な不利益となります。
また、底地所有者が高齢になり体力が落ちたことを理由に子供に底地の管理をお願いしたくても、子供たちがすでに自立し遠方に住んでいる場合は、子供にとっても負担になる為、底地現地へ頻繁に訪れ、行き届いた管理を行うことは難しいこともあります。
■借地人とのトラブル
借地人の中には、借地料を何年も未払いになっていることがあり、借地人の未払いを解消できずに何年も悩んでいる底地の所有者は少なくありません。
・いくら地代の請求をしても、支払ってくれない。
・長い間付き合いがあるので、あまり強く言えない。
・弁護士に相談して、裁判沙汰にするような問題とも思えない。
だからといって、それなら誰に相談していいのか分からない。
借地人とどのように交渉に臨んだらよいか分からないことでなかなか行動をおこせずに、多くの底地の所有者が何年も悩みを抱えたままにになっています。
■地代から固定資産税を引くと赤字に
底地は何十年も前からの古い契約が多く、底地の地代が当時のままということがよくあります。
このような場合、地代は昔の低い地代のままになっているため、時が経つごとに土地の評価が見直され増額された固定資産税を、受け取った地代から差し引くと「赤字」になってしまうということがあります。
しかし、地代の増額は、借地人さんにとっても生活が懸かっているため、交渉するにもお互いが感情的になってしまうことが多く、話をまとめることは簡単ではありません。
底地の値上げの交渉がきっかけで、関係がこじれてしまい、交渉がまとまらず問題が塩漬けになると、解決することは大変難しくなってしまいます。
■底地の問題を解決するために
現在、底地には様々な問題がみられるようになってきています。また、それらの問題を解決するにも専門的な知識や、適正な対応法が必要になっており、解決のためのハードルはますます高くなってきております。
しかし、問題に対して早期の対策に取り組むことで、問題解決が早まったり、問題解決への負担が軽くなり、以外に時間をかけずに解決できる可能性も出てきます
もし、底地で問題が発生し、お悩みをかかえているなら、まずは専門家へ今後の対応について相談し、適切な対応に取り組んでいくことをおすすめします。きっと底地問題解決の糸口になることでしょう。