底地を売却して資金を作り、両親の施設の費用、または相続税の支払い資金にあてたいとお考えの地主様。現在売却予定の底地を利用している借地人さんとの関係性はどのような状況でしょうか。底地を売却する場合、借地人さんとの関係性も重要なポイントにります。

買主が、借地人以外の第三者の場合でも借地人との関係性は、底地の売却に影響します。今回は、底地を売却する際に、重要となる借地人との関係性や借地人との関係を良好に保つ方法についてお伝えいたします。

■底地とは

底地とは、所有している土地に借地権が設定されている土地のことを指します。借地権とは借地人がその土地に建物を建てて所有し、使用する権利のことで、一定の条件で土地を使用する権利を持っています。そして借地権は借地人を守る権利となっているため、地主が勝手に借地人を追い出そうとしたり、自分の土地だからと勝手に利用することはできません。この借地権との関係を理解しておくことは非常に重要です。

■借地権と所有権の違い

借地権とは、土地を一定期間借りる権利です。借地人はこの権利を利用して建物を建てたり、使用したりします。一方、所有権は土地そのものの所有権を意味し、底地の所有者は土地の使用に対して賃料を受け取ります。

このように、借地権は土地に与えている影響が大きいため、底地を売却する際には借地権者との契約や関係性に注意が必要となります。

■借地人との関係性の重要性

底地を売却する際に、借地人との問題があるかどうかは非常に重要なポイントです。借地人との良好な関係を保つことは、底地をスムーズに売却するために欠かせません。借地契約が古く、借地人との関係が疎遠でお互い顔を見たことがない程度の関係性であれば、大きな問題にはなりにくいです。

しかし、底地の地代が長年未払いであったり、借地人と借地契約に関する裁判が起こっていたりする場合、底地の売却額が極端に下がるだけでなく、最悪の場合、売却自体が困難になる可能性があります。

■トラブルの原因と対策

借地人とはなるべく揉め事を起こさないようにしたいものです。トラブルの主な原因としては、賃料の支払い遅延や底地の地主からの地代増額の要求、借地契約の更新料などの条件が挙げられます。

また、借地契約に関する借地人の不安や疑問もトラブルの種となり得ます。これらの原因を理解し、事前に適切な対策を講じることが重要です。トラブルが発生しないようにリスクを減らしておくことで、底地契約を安定させ、底地の売却をスムーズに進められるようになります。

■借地人との良好な関係を築く方法

借地人とのトラブルを避け、関係を良好に保つためには、定期的にコミュニケーションを取り、問題に気付き対処に時間をかけない対策が必要です。

定期的に連絡を取り、借地人の近況を聞きながら底地に関する説明を行うことで、借地人の不安や疑問に迅速に対応し、解決することができます。借地人の現状を把握しておくことは、底地のトラブルを防ぐために大切です。

例えば、借地人が資金不足で地代を遅延させる可能性や、借地上の建物の大規模リフォームの相談、または借地人を変更したいという希望など、将来的に問題になりかねない情報をリアルタイムで把握し、迅速に対応することでトラブルを事前に防ぐことができます。

借地人との信頼関係が築ければ、借地人も協力的になり、底地を売却する際の話し合いや交渉も円滑に進められることでしょう。

■円満解決のためのアドバイス

底地の引き渡しを進めるためには、借地人との良好な関係を保つことが重要です。信頼関係が良好であれば、借地人も協力的に対応してくれます。また、借地契約書が存在し、その内容が明確であれば、権利義務関係がはっきりしているため、トラブルを発生を防げます。

そして、土地の境界が明確であることも重要です。境界が不明瞭な場合、査定を正確に進められないうえに隣地所有者との間でトラブルが発生する可能性があるため、事前に境界測定を行っておくと安心です。これらのポイントを押さえておくことで、取引の際のリスクをを最小限に抑えることができます。

■法的な対応策

借地人とのトラブルが発生した場合、法的な対応が必要になることがあります。事前に専門家に相談し、適切な対策を講じることで、トラブルの早期解決を図ることができます。

例えば、契約書の内容を詳細に確認し、法律に基づいたアドバイスを受けることが重要です。法的な対応策を事前に準備しておくことで、トラブルが発生した際にも冷静に対処することが可能です。

また、沖縄では底地の借地契約が古い場合、口頭契約のために、そもそも契約書が存在していないという
ケースは少なくありません。もし、あなたが所有している底地で、借地契約書が存在していないのであれば
トラブルが発生する前に、まずは専門家に借地契約書を作成してもらうことをおすすめします。

■まとめ

底地を売却する場合は、買主が借地人、または第三者であっても借地人との関係性を良好に保つことは重要なポイントになります。

借地人とのトラブル、裁判への発展などは、底地の売却では大きなマイナス要因となり、売却額の極端な低下や、最悪は底地を売却できない状態になってしまうことになってしまいます。

もし、あなたが底地の売却をお考えなら、むやみに借地人と揉め事を起こすことは避けるなど、借地人との関係性にはお気をつけください。

また、借地人とのトラブル発生を防止するための対策なども、事前に準備をすすめておくこともおすすめします。

そして、売却への迅速な取引も可能なり、地主様のサポートも充実しています。底地の専門業者を選択することで、安心して取引を進め、売却を無事に完了することができるでしょう。